5M-HH3アンプ・完成

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このアンプの出力は0.2W程度でしかない。だからといってヘッドホンアンプではない。家族に考慮して、あるいは深夜に周囲を気遣って、静かに音楽を聴きたいことがあるでしょう。小音量でもスピーカーで気持ちよく聴けるアンプがあっても良いではないか。でもヘッドホンを使うと耳を圧迫するし、コードが邪魔になるし、音像が頭のてっぺんに来て違和感を感じるからイヤなのだ。

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音色はラウドネスをONにしたような感じが特徴だ。小音量でもふくよかな低音が出るし、鮮烈な高音が聴ける。しかも、意図的に回路をいじってそうしているのではなく、回路の特徴や真空管の特徴がなせる技なのだ。

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このアンプ、1W出力のアナログパワーICを使っているにもかかわらず、出力は0.2Wなのだ。その理由は、真空管を通した音を聴きたいから。5M-HH3という真空管が持っている音色で音楽を聴きたいから、わざわざこんなことをしているのだ。

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部屋に置いても違和感がないように、デザインには手をかけたつもり。木をアンプの上にあしらっているのも、他の家具との調和を目指した理由だ。

電源スイッチとボリュームを同じ形状のツマミで統一したかったから、電源スイッチはロータリースイッチを使用した。このタイプのスイッチは、意外と入手が難しい。たまたまキョードーで売られていたのを購入した。

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シャーシはもう少し高さの低いものを使用したかったが、電源トランスを内蔵するためにこうなった。ユニバーサル基板を使用して、特注のRコアトランスにすれば可能だろう。

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(2009.10.10 内部画像追加)

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諸特性を以下に示す。利得は60倍と高め。ふくよかな低音なのは、DFが低いためだろう。残留ノイズは多め。これはパワーIC自体のノイズが多いからに他ならない。スピーカーにかなりの高能率のものを使用しなければ問題ない。

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周波数特性。このアンプの特徴である鮮烈な高域、20KHzあたりから始まって70KHzで+8dBにも達する盛り上がりがある。フラットにすることは可能だろうが、あえてそのままにしてある。20KHz以上は聞こえないはずなのだが、聴感ではかなりハイ上がりにきこえる。また、安価なトランジスタ用の出力トランスを使っているわりには低域が立派だと思う。

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歪率特性。5%歪みで0.2Wという小出力だが、歪率を無視すれば1.5W程度の出力が可能だ。歪みが明らかにわかるので、実用的ではないが。一旦、歪率が10%以上になってから、また下がっているのはA2級のためだろうか。私にはこのアンプの回路が理解できないのでわからない。100Hzではどう頑張っても0.2W以上出ない。一般に普通のボリュームで音楽を聴いている限り、低音の出力が必要になることは殆ど無いので大丈夫と思う。

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ついでにクロストーク特性を測ってみた。20Hzから20KHzにわたって-60dBを確保しているのは意外だ。高域であまり悪化が見られないのは、左右別々のボリュームを使用しているせいだろうか。また、低域で悪化が見られないのはプッシュプル回路でかつ、トランジスタリプルフィルタを使用しているためだろう。リプルフィルタの低インピーダンスが証明された結果となった。

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回路図。現状の回路図はこんな感じとなっている。+Bに半波倍電圧整流、IC用電源に半波整流を使用しているのは、GNDを共通にするためだ。ヒーターも含めて1つの巻線でまかなっているのは、電源トランスを1個にしたかったからに他ならない。

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現状で残された問題点は1つ。ボリューム最大で使用すると、時たまプチッというノイズが発生することだ。5M-HH3のグリッドに入っている抵抗100Ωを増やせば良いのかもしれないが、バラさなければ改造できないのでペンディング。ボリュームを少し絞って使用すれば問題ないので、結果オーライだ。

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