2A3シングルアンプはいかがですか? 譲渡しました

この2A3シングルアンプは2008年に製作した真空管アンプで、当初は出力管が45だったのだが、後年2A3に変更し現在に至る。
シャーシは特注した鋼板製でグレーに塗装して頂いたもの。シャーシ設計に関する記事はこちら。
このアンプは発振を止めるのに手を焼いた記憶がある。当時の自分には小手先の対策しかできなかったが、現在なら知識が増えているので対策できると思ってやってみた。他に改造やらチューニングを施した。

回路図を上記に示す。
① 定電流回路を抵抗へ
定電流回路だったのを抵抗に変更した。抵抗値は820Ω10Wと10kΩ1Wの並列で758Ωとした。これでアンプ内から半導体を追放したことになる。
② 発振止め
入力に付いている100pFを外し、ダミーロードをオフにしたら発振した。回路をチェックしたところ、ゾベル素子のコンデンサに0.01uFが使われており、これを0.1uFにしたら発振しなくなった。
③ NFB抵抗を変更
100pFを外したところ100kHz付近に小ピークが生じており、NFB抵抗をフィッティングしたら500Ω→620ΩでOKとなった。NFB量は7.7dBから6.7dBとなった。

変更後の回路図を上記に示す。実測の電圧を赤字で記入した。2本の5687に電圧の差が生じているが、5687はもともと計算機用の真空管でバラツキが大きい。左右の利得が揃うように選別してある。

諸特性を上記に示す。出力は4.1Wで、A1級の標準動作に近い。重量は13.4kgもあり、私が1階~3階に持って運ぶには骨が折れる。

周波数特性。120kHz付近にピークがあり、潰して平坦になる程度の位相補正をしている。もっとやっても良いが音に影響するところなのでこのままとした。

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは20Hzがリミットして-57dB以下となっている。+Bを150Ωで左右チャンネル分離しているのだが、50Hzあたりから悪化している。

Lchの歪率特性。各周波数が揃っている。

Rchの歪率特性。こちらも同じ。

(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが発振の兆候は見られず安定していた。
特性的には問題なしと判断する。
これを機会にブツ撮りをしてみたので以降ご紹介。なんだか実物より良く撮れているような気がする。











音色はとにかく繊細な感じでXE-20Sの為せるワザか。ただ個人的な印象なので詳細は書かないでおこうと思う。

5687はあまり手に入らないと思うのでGEの5687WA、SYLVANIAの5687WA、PhilipsECGの5687WBの各2本ずつをオマケに付けます。あと3Pの電源ケーブル(新品)も含めます。TANGOの銘板(3枚)もお付けします。

参考までに製作にかかった費用(2008年当時)は上記のとおり。解体してパーツとしてヤフオクに出せば高く売れるだろうというのはわかっているけど、これは作品なのでそのままお譲りしたい。だから入手した後、パーツ単位で売ろうというのは止めて下さい。
寸法:W380mm×D240mm×H180mm(突起物含まず) 重量:13.4kg
ご注意!このアンプはサイドウッドが裏側から4本の木ネジで止まっているだけなので、持ち上げる際には必ず底ブタに手をかけて下さい。最悪サイドウッドが外れて落とす危険があります。
ちなみに梱包に時間がかかりそうなのといろいろ忙しいので年内の発送が目標です。
この記事へのコメント
特注シャーシでもあり解体して再利用するには忍びないんです。XE-20Sは確かに良いOPTだと思いますが、ヤフオクだと購入時単価の2倍に相当する価格で落札されているようですね。
こんばんは!
ごぶさたしております。
コロナで動けない状態がつづいてなにかと動きずらい日々が続いていますね。
ところで、2A3アンプ嫁ぎ先決まってしまいましたでしょうか?
前向きに検討していますので
まだでしたら
よろしくお願いします
幸いまだ嫁ぎ先が決まっておりません。よろしくご検討ください。
嫁ぎ先が決まっていないと書きましたが、さきほど希望者からのメールがありどうしたら良いものか判断がつきかねています。アンプは1台しかないのでどちらかの方にお譲りしたいです。困りました。
別の希望者の方にお譲りすることにしました。恐れ入りますがご了承下さい。