300Bシングルアンプ・本番機の試聴

特性的には問題ないことを確認したので、3階自室へ運び上げて聴いてみた。
私の駄耳での印象は「普通に良い音」。私が自作する真空管アンプでは上位に入るけど、これといった魅力的な音質が見つからない。
出力は8Wあるので、ニアフィールドの小音量で聴いていても十分スケール感がある。低音はドスンと来るし、音色に透明感があり音場表現に優れるように思う。
このアンプは電圧増幅段にカソードバイパスコンデンサ(FETのソースだけど)は無いし、カップリングコンデンサはあるけど電圧増幅段間で使用しているし、出力段は固定バイアスだからやはりカソードバイパスコンデンサが無い。
ぶっちゃけて言えば、オーディオ用パーツを使うことで音質向上が図れる箇所が殆ど無いに等しい。もちろんNFB抵抗を金属皮膜抵抗でなくてオーディオ用カーボン抵抗とかに変えれば音が変化する可能性がある。
おそらくだけど、300Bを例えばWEに替えたとしてもあまり音質の変化が無いんじゃないかと思う。300Bって無色透明な音色でかつ出力が取れるタマなのではないかと個人的に思う。
電圧増幅段なら6N23Pの他にE88CCや6922が使える。電圧増幅段のタマを替えることで音色のチューニングができそう。ただ高嶺の花のナントカを買ったとしても自分の好みの音になるとは限らない。そんなわけでJJのE88CCをアムトランスで買ってみた。

サイドパネルをネジ止めし、トランスの養生テープを剥がした。6N23PをE88CCに交換。300Bのプレート電流を53mAに再調整。
E88CCはロゴが赤、E88CCの文字も赤でヒーターが灯っているのがわからない。300Bもフィラメントが赤熱しているのが見えないのでパイロットランプが点いていないと電源が入っていることさえわからない。
再び試聴してみるとピンシャンした音に変わった。一言で表すならハイファイな音。つきなみな表現だけど。女性ボーカルがすこしハスキーな感じがするけど艶が乗る。やはり300Bならではの色付けは少なくて、電圧増幅管の音色が支配的のようだ。
6N23P・エレハモの6922・JJのE88CCと試聴してみたけどJJのE88CCが一番好みだった。他に現行のタマはないかなあ?6DJ8系はEp maxが足らないので試せない。
この記事へのコメント
わが家の300Bアンプは今年の春にCR結合からトランス結合に替えました
私の場合はアンプ製作にかける予算が殆ど真空管と電源トランスと出力トランスになってしまうので、トランス結合まで手が回りません。
いつも楽しく見させて頂いています。ずっといつか同じアンプを作りたいなと思っていました。この度おんにょさんの300Bアンプを作ったのですが、完成せず困っています。よかったらご教授ください。回路、ラグの配線など全く同じです。
両チャンネルとも音は出るのですが、片チャンネルからハムがでます。
また、Cー220v、C1ー70vのときとC−150v、C1ー130vのときがあり、今は異常なままです。
負帰還はかけていません。
Rch
入力ショート 出力15mv
入力開放 出力9v
入力接続 出力15mv
Lch
入力ショート 出力40mv
入力開放 出力0.6v
入力接続 出力0.9mv
対策したこと(全く変化ありませんでした。)
○チョークをのけた。
○ヒーターLD1065をのけて抵抗にした。
○2SK117を変えた。
○1N4735Aを変えた。
○R2を3.3kにした。
○c3の位置をかえた。
○アースの取り回しを変えた。
○真空管を入れ替えた。
J1のDを切るとハムは止まります。
どこかで発信しているのかとも思いますが、知識がないのでわかりません。頼るところもないので、不躾ながらお尋ねするしだいです。善かったらご教授ください。
どうも原因は複数あるようです。
特に-Cと-C1が設計の電圧とかけ離れているのが気になります。
E88CCと300Bは直結なので、真空管に負担がかかる可能性があります。
左右チャンネルのE88CCのプレート電圧(6ピン)、グリッド電圧(7ピン)、カソード電圧(8ピン)を教えて下さい。発振していると特にプレート電圧がデジタルテスターで測れなくなります。
ソケットのピンの電圧を測る時に滑ってショートさせる可能性が高いので、ICクリップを使った治具を使うと良いです。
https://65124258.at.webry.info/201205/article_6.html
また、白手袋を使うと感電をある程度防げます。
アンプ部平ラグのGNDの取り回しですが、2箇所のGNDを平ラグの裏で結線してからシールド線に巻きつけてRCA端子近くの立ラグへシャーシに落としています。
また、E88CCのグリッド(2ピン)への配線は取り回しに注意して下さい。発振する可能性があります。
早速お返事ありがとうございます。とても嬉しいです。なんとかならないものかと思案中です。
ーcですが、250vを整流して、3.3kで落し、ーc 220v、ーc1 70vにしました。以前は15kで落しこの値になったのですが、わかりません。cに流れる電流が大きいようにも思います。
Rch 6−108v 7−66v 8−64v
Lch 6−106v 7−67v 8−65v
アースは同じ配線です。lch側にB電源のアース、Rch側にc電源のアースをつないでいます。
相変わらずRchのハムは同じレベルです。
B電源は280vを整流し,OPTのB側で330vです。
お忙しい中本当にありがとうございます。解決できたらと思います。
電源トランスの型番がありましたら教えて下さい。電源トランスの同一巻線から+Bと-Cを作ると、回路のGNDが電源トランスの0Vタップから共通になるはずです。GND配線の引き回しによってはループとなり、残留ノイズが増えると思います。ただこれは両チャンネル一緒に出ます。
E88CCの6・7・8ピン電圧ですが、6ピンがプラスでしたら正常と思われます。
前回お聞きするのを忘れましたが、ハムはブーンでしょうか、ジーでしょうか。
右チャンネルのRCA端子開放で9Vも出力が出るのは発振かもしれません。2SK117のドレインからE88CCのカソード(3ピン)へ行っている配線を外すとハムは止まるんですよね?
RCA端子からのシールド線は、網線側をRCA端子のGNDにつなぎ、2SK117のゲート側の網線はつなぎません。RCA端子のGNDは立ラグでシャーシGNDにつなぎます。