6AH4GTパラシングルアンプ・ゲッター消失
6AH4GTパラシングルアンプで使用したうちの2本のゲッターがほぼ消失してしまった。うち1本はプレート電流が減ってエミ減の状態となった。2本のゲッターはこんなかんじ。管内でガスが発生し吸着したために減ったのだろうか。
6AH4GTは実効プレート電圧194V、プレート電流30.5mAでプレート損失は5.9Wで使用している。最大プレート損失7.5Wの78.7%となっている。
放射温度計で真空管の温度を測ったら室温25℃の時に120℃くらい。黒体テープを使っていないし大体の値だがガスが発生する温度ではない。
当初は問題なかったので、新品未使用とのことだったが本来はエージングで弾かれるタマだったのかもしれない。
GEのデータシートを見たら最大定格にPositive D-C Grid Voltageは0Vと明記されているがEp-Ip特性図にはグリッド+5.0Vと+10Vの曲線が描かれている。SylvaniaのデータシートではPositive Grid Voltageは0Vとの記述がある。おそらくグリッドに+電圧をかけて常にグリッド電流が流れる状態で使用してはいけないのだろうと理解した。
グリッドには150Ωの直列抵抗が入っていて一応グリッド電流が制限されるようにはなっている(怪我の功名)。だからというわけではないがエミッタフォロア直結ドライブが寿命を短くしたのではないと思われる。
まだ1本は十分プレート電流が流れているが、いずれは寿命を迎えるのだろう。手持ちの6AH4GTは全部で6本であと1本を残すのみ。私はアンプをどんどん替えていってしまうので1台あたりの使用時間が少ない。将来不足する事態になったら買うことにしよう。
現状の6AH4GTの状態。4本中1本のゲッターが少なくなっている。
こういうことがあると安心してアンプを鳴らせなくなってしまう。私の考え過ぎか。
この記事へのコメント
特性を見ると高域にピークがありますが、ダミーロードではなんとか発振していなくても、SP負荷では発振しているということは無いですか?
SPに接続した状態でミリボルトメータで測ってみましたが0.2~0.3mVでした。発振の兆候は認められません。今挿している4本中3本に異常はありませんので、6AH4GTの初期不良に相当するのかもしれません。
フルパワーで連続計測していない限り、グリッド電流がエミ減の原因とは考えにくいのではないかと思います。
真空度の低い初期不良のような気がします。
歪率特性の測定時に、グリッド電流が流れる領域ではそんなに時間をかけていませんしプレート電流が減ることはありませんでした。今回のような現象は経験していませんので気になった次第です。
その後、同じショートボトルに代えたあとは、しばらく何事もなく使えていました。
直結でもないので、どうなんでしょうね。
何か6AH4GT特有の問題を抱えているような気がします。他のタマではこのような経験は記憶にないですし。