おんにょの真空管オーディオ

アクセスカウンタ

zoom RSS ペーパーコンデンサの絶縁抵抗

<<   作成日時 : 2016/08/26 18:58   >>

面白い ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 4

真空管ラジオに使われていたペーパーコンデンサは劣化しているので全数交換が基本のようだ。でもペーパーコンデンサが劣化すると絶縁抵抗がどのくらいになるのかを見たことがない。

今回たまたまラジオ修理をされている方から、外したペーパーコンデンサ いらんかえ〜ということで譲って頂いた。どうもありがとうございます! この方のWebはコチラ

で、実際のペーパーコンデンサの絶縁抵抗がどのくらいなのか調べてみよう、というのが今回のテーマ。


画像

届いたのが上記の画像で、えーっこんなにたくさん(@_@; とりあえず調査対象外の電解コンデンサやマイカコンデンサを除き、表示が読めないものやリードが片方無いものを除外して容量値毎に分別した。


画像

0.1u/0.05u/0.01u/0.005u/その他で、全数は77個になった。

当初はDMM(デジタルマルチメータ・最高40MΩ測定可)で絶縁抵抗を測ろうと思ったのだが、リーク電流が安定しないせいか抵抗値が変化してうまく測れない。そこで絶縁抵抗計(メガー)で測ってみることにした。


画像

測定に用いたメガー、ムサシのDI-8。DC500V印加で最高1000MΩまで測れる。DMMで電圧を測ってみるとたしかにDC500V出ている。

どうせ再利用しないペーパーコンデンサだから破壊覚悟で測定してみると(汗)、リーク電流のために印加電圧が100V程度に落ちてしまうことがわかった。これなら耐圧に対して余裕があるので大丈夫だ。


画像

始めに0.1uFから測定した。


画像

測定結果を上記に示す。表と画像はそのまま対応している。容量はDMMによる実測で、絶縁抵抗が低いと容量値が多く測定される。


画像

棒グラフにしてみた。10MΩ以上のものは無く、100KΩ以下が多かった。


画像

次は0.05uF。


画像

測定結果。

No.17はパンクしているやつで、画像では中央の下から4個めのもの。容量値は測れず(オープン)、絶縁抵抗は280MΩだった。パンクしていても絶縁抵抗は高くない。


画像

棒グラフ。パンクしたのは除いた。100KΩ〜1MΩのものが多い。


画像

0.01uFのペーパーコンデンサ。


画像

測定結果。


画像

棒グラフ。100KΩ〜1MΩのものが多い。容量が少なくなると絶縁抵抗値の分布が高抵抗に移動するみたい。


画像

0.005uFのペーパーコンデンサ。


画像

測定結果。


画像

棒グラフ。100KΩ〜1MΩのものが多い。


画像

その他、少数しか無い容量のペーパーコンデンサ。


画像

測定結果。


画像

棒グラフ。


画像

というわけで全数測定完了したので全部の絶縁抵抗の分布を棒グラフで示す。パンクしたやつは除いたので合計76個。

やはり100KΩ〜1MΩが多い。最高は400MΩで0.05uFのコンデンサだった。新品の状態ではこれくらいの絶縁抵抗だったのかもしれない。

容量値は絶縁抵抗が高いものが表示に近くなるということで、あまり変化していないのではないか(DMMでは絶縁抵抗が低いと容量値が高めになるため)。


画像

番外編。手持ちのASC、フィルムコンデンサを測定してみた。


画像

もう明らかに絶縁抵抗が高いのがわかる。測定すると充電電流が減るに従い絶縁抵抗値が高くなっていき、最終的に1000MΩ程度になった。耐圧以上の500Vがかかっていると思われるので壊れるかと思ったが大丈夫だった。測定が短時間だったこともあるかも。良い子はマネしないように!


画像

仮にペーパーコンデンサをカップリング用途として使った場合を考えてみよう。単純化のために前段の電圧を200V、次段グリッド抵抗を500KΩとする。

仮にコンデンサの絶縁抵抗が1000MΩでも、グリッドには+0.1Vが加わることになる。100MΩあったとしても+1.0V加わることになる。この電圧が次段のグリッドバイアス電圧をプラスへ押し上げることになり、プレート電流が増えてしまう。10MΩなんて論外だ。

ASCのフィルムコンデンサを測定した時にはメガーが1000MΩを示したが、実際にはもっと高いと考えられる。それくらいカップリング用途には高絶縁抵抗が要求される。

古い真空管ラジオのシャーシを引き出すとペーパーコンデンサのパラフィンが溶けているのが散見される。これは絶縁抵抗が低くなりリーク電流が流れて発熱することで起きると考えられる。

また、ペーパーコンデンサがパンクするのは、同様に発熱によって内部の圧力が高まるために起きているのだろうと思われる。

やはりペーパーコンデンサは全数交換が基本だ、という結論になった。現在は安価で性能の良いフィルムコンデンサがあるから、それに交換するのが一番だろう。シャーシ内は分解しないと見えないしね。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
面白い 面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。絶縁不良の原因って?マイグレーションとか?この手のコンデンサ(MP)は子供のころ分解した記憶がありパラフィン紙がはさんである構造ですね。このパラフィン含浸紙内に伝導物質がたまるんでしょうね?
masuda
2016/08/27 09:36
masudaさんこんにちは。
絶縁紙の含浸剤には当初パラフィンが用いられ、後に植物油、シリコン油が用いられたとありますから、おそらくそれらが変質してリークが起こるものと思われます。吸湿するにしても実際に影響があったかどうかわかりません。
おんにょ
2016/08/27 18:21
初めまして。

実測データと考察は私にとってとても役立ちました。感謝申しあげます。 
RADIO KITS
2016/08/27 19:44
RADIO KITSさんはじめまして。
ペーパーコンデンサがここまで劣化してしまうのかと思いました。ハーメチックか含浸剤の変質かもしれませんが原因は不明です。
おんにょ
2016/08/27 21:41

コメントする help

ニックネーム
本 文

関連ブログRSS

ペーパーコンデンサの絶縁抵抗 おんにょの真空管オーディオ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる